暫定ブロードキャスティング

近況: 農業高校ラブコメ 「のうりん」(GA文庫 ライトノベル) は8月12日からきっと大絶賛発売中!!! ちょっと何かに似てるかもしれないけど気にするな!意識してるだけだ!!

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

●ヒトカケラ(ライトノベル MF文庫J)

「宇宙人はいると思いますか?」

「宇宙人を好きになったらどうしますか?」



「好きになった宇宙人は、いつかいなくなってしまう運命を持っている。その場合センパイはどうしますか?」










最後の質問だけはカマかけているんだと思うんだけれどどうなんだろう?



選評書いてるのが冲方丁さんかぁ・・・天地明察読んでみたいと思ってるけれどハードカバーには手を出しづらいなぁ・・・


●概要
非常にシンプルで良いサイエンスフィクション風SF(少し不思議)。
宇宙人のようなものは出てきますがそういう設定自体は大して意味を持ちません。
これは非常にシンプルなヒューマンドラマのようなお伽話です。
人間というものを宇宙人視点から観察した、そういうおはなしです。

宇宙人と監視者とか超能力者とか出てきますが彼らの異能は何の役にも立たない。

それらの対比のように語られる、登場人物の心を簡潔に、しかし的確に捉えていく筆致が最大の魅力になっています。

ある意味でアンチライトノベルと言ってもいいような児童文学延長にあるもののように思います。


●作品の強みについて
本のデザインを空の青と雲の白で固めているのも手伝い、淡色な筆致が透明な水のように染みこんでくるというのが最大の武器になっています。


強くも弱くもない。そんな、ちょうどいい力でいつも背中を押してくれる。
この子と幼馴染で本当によかったと思う。
p77


「だけど……何かが……私にもわからない何かが……その決断を否定するの。耳を澄まさないと聞こえないくらいの小さな声で……このままでいいのかって聞いてくるの。どうしてそんなことを言ってくるのかはわからない。それにどう答えたらいいのかも……私にはわからない」
p88


あえてなのかもしれませんが、ライトノベルというか文語的な回りくどい表現をほとんどしておらず、口語的な語彙だけで登場人物の思いを紡いでいるところがその主因かもしれません。こう言う表現というのは簡単にできるようにみえて本当に難しい。

二つめの強みになっているのが構成の上手さ。
この本は一つのストーリーとその裏方でのストーリーの二本仕立てになっているのですが、この二つの物語をつないでいるのが、単なる物語の構成だけではなく口語に近い筆致で紡がれるセリフと地の文です。
セリフと一人称の地の文が基本的に他人に対する観察という感じで続いていくためにそれぞれの登場人物が他の人をどのように思っているのかが、真に迫ってというとなんか違いますが、的確に伝わってくるのです。
二つの物語をつないでいるのが単なる事実関係の前後ではなく、人との関わり合いという部分で強固に結ばれているのです。


選評では泣けて笑えるテンションが欲しいと評されていたり、物語の起伏が云々という感じのレビューを見ましたが、個人的にはこのままでも十分武器になっているのではないかなぁとも思います。

確かに設定の奇抜さとは正反対の筆致であるためにかなりの肩透かしを食らわせる可能性もナキニシモアラズなのですが、MFならこの路線で突っ走ってもいいのではないかなぁとか思います。
奇抜な設定や過激な表現というのも確かに大したものでしょうが、当たり前のものを当たり前に、しかし、確実にしみこませるという作風は他には読んだことがありません。


人間というものを人外の視点から観察し、なおかつ血生臭い話に持っていなかった、という姿勢で詰め切らなかったという不満部分は確かにありますが、言ってしまえばそれだけの話のような気がします。六甲のおいしい水で喉を潤したいのにマックスコーヒーを渡されると多分殆どの人は怒ります。多分なんかそんな感じです。




ライトノベルの中にあってはかなり亜流のような感じではあるのですが、空の向こう約束の場所以外の新海作品のようなものと言ってしまえばそんなに孤独な作品というわけではないような気がします。
かなりイメージが良く、それに加えてシーン構成を含めたセリフ回しが奇抜ではないのにとても染みてくるので新海作品の原作になったりはしないだろうかなぁ・・・
一時間くらいの短編集をやろうという場合に候補に上がってもいいような感じがするんだけれどなぁ・・・


確かにラノベらしくはないラノベですがだからこその強みを持っている作品です。
濃い話しに飽きてきて一服の清涼剤が欲しいという場合には進めてみてもいいような読後感がさっぱりとした良作です。



久しぶりに書いてみたらなんか調子が出ない。
スポンサーサイト

読書感想文 2010年6月25日~ | コメント:0 | トラックバック:0 |
<<●織田信奈の野望 4 (ライトノベル GA文庫) | ホーム | タイトルなし>>

コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。