暫定ブロードキャスティング

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●煉獄姫 (ライトノベル 電撃文庫)

月明かりの下で輝く荘厳な硝子絵画は、神を祝福する十二の天使を描いたものだった。

だが絵の下部、地面近くには、血を流す十三番目の天使が横たわっている。

彼もしくは彼女は、
神を裏切り地の人間を助けようとしたために神罰を受け羽を毟られ、天使の座を剥奪されてしまったのだ。

これ以外の十二天使は、今から人々を炎で焼き尽くすところである。



喇叭を鳴らしニガヨモギの毒で大地を染め、すべてに裁きを与えるために―――。






CONTENTS


序章 墓穴のラプンツェル

第一章 銀色の風、もしくは死

第二章 王いまし城の箱庭に

第三章 薔薇の花片はくすんだ陰を予兆する

第四章 宵待ちの咎

第五章 覚束なくも儚くて

第六章 鉄鎖に潜む腐肉の宴

第七章 王女の蹂躙

第八章 蒸留器の中で夢をみた

終章 暗闇のグレーテル









穢土を踏みしめ往く街路

煉獄姫と彼女だけの騎士に

















●STORY
現世の一つ下の階層に位置する異世界【煉獄】が発見されて二十数年。異界に充ちた微細な物質を利用することにより得られた新技術・錬術により産業革命が社会を変えた。国を、そして人の生き方を。
おおかたの人間にとってはその変化は忌むべきものだったかのような社会の激変のなか、ただ一人煉獄に祝福されるかのように生まれ落ちた災厄、それが煉獄姫、すなわち塋国の第一王女のアルテミシアだった。

物語は異界の毒の塊として塔の中にずっと閉じ込められていた煉獄姫の元に、一人の騎士がたどり着くことから始まる。

煉獄姫と彼女の騎士と、煉術によって運命の歯車を狂わされた人々の狂宴を描く群像劇が、今、膜を開ける。







●感想

これはハイファンタジーと言っていいのか?

産業革命期のロンドンをモデルにした都市・葡都(ハイト)を舞台に、その産業革命を引き起こした錬術という技術に関わる人達の思惑を描いた群像劇のような感じの新シリーズ。
煉術のもととなる煉獄の微細な物質というのは人間にとっては毒素であり、その毒素を利用する煉術に携わるということは寿命を縮める事でもある。
例えば、煉術を利用して機械を動かす工場で働くということは、女工哀史に見られるような当時の工場労働の悪質さに加えて煉術による被害も上乗せされるのである。

だが、そのような時代にあって、煉獄姫だけは、煉獄につながる扉を身のうちに孕む特異体質として生まれ、煉獄の毒を纏って生きながらもその毒には害されなかった。
だからこそ、死ぬこともなく、王族であるために殺されることもなく、ずっと塔の奥底に閉じ込められていた。

そのアルテミシアのところに主人公である少年騎士フォグが訪れるところからおはなしが始まります。


同じ話を二度も書いてみましたが、ファンタジーというよりも文化描写を見てみるとSFのような感じがしないでもないのです。
けれどやっぱりおはなしの筋を追ってみるとこてこてのお伽話ですね。

ただし、決しておとぎ話のような綺麗なおはなしではなくて、先にも書いた、産業革命期のロンドンのような流民の問題などにも目を向けたダークファンタジーというのが魅力のように思います。


本作の見所は作品の本筋であるアルテミシアとフォグの二人の歩み、錬術という技術にまつわる技術者達の思惑、錬術に対する塋国と他国の動き、錬術によって変わる世界などなど、それらを巧妙な伏線によってたったの310ページの文庫に詰め込んだ技量が見所です。
これで、シリーズ第一巻めだとか言うのだからもうなんというか、すごすぎる。

あくまでハイレベルでさらに上での話として言えば、バトル描写が動きよりも設定紹介に費やされていたので今ひとつであったりバトル部分に限っての推理ものの入れ方がチャチく見えるなぁとは思ったもののあくまでもその他に吊り合っていないという感じなので、なんとなくまだ不純物があるんかなぁとは思う。ただ、ペラペラめくってみるとそんなにページ数使ってないんだとか気づくとなんでこんなこと思ったんだろうとも思う。挿絵の投入位置が少しイメージと違ったのが原因か?


物語ベースで言うと、シリーズ物の一巻目というところで終わっている場合には物足りなさを感じることが多いのですが、本作では物足りないどころかお腹いっぱいです。これはひとえに、設定の作り込みの緻密さと文化描写まで徹底してやっているためにテキストとしての厚みがあったがためだったように思います。

物語本編はまだ動き出したばかりですが、これからこの壮大な物語をどう料理してくれるのかが見所です。次は年内?


ネタばれしないように書くとこれくらいしか書けないのですが、かなり伏線を張りまくっているために注意して読んでみると面白いです。特に後半の怒涛の伏線展開が止まらない!


政治的な立場の描写もそうなのですが、それを他国との関係を含めてやっているために今後死の商人とか大開戦展開とかあったりするのかなぁとか思います。
この世界にとっての煉獄姫の意味とは果たしてなんなのか?そして煉術に惑わされた人々の価値とは?そういうところにも目が行きます。
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読書感想文 2010年6月25日~ | コメント:0 | トラックバック:0 |
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